【体験談】診療放射線技師とはどんな仕事?年収も含めて公開

診療放射線技師を目指す学生さんも多いかと思います。

そこで、診療放射線技師として働くヨシミさん(仮)にどのような仕事か、また現場で働いたときに印象に残ったエピソード、給料等、気になる内容を話していただきました。

現役の方の意見なので、参考にしてくださいね。

1.診療放射線技師のお仕事

ヨシミさん

診療放射線技師は、病院などの医療施設にて、医師の指示のもと診断、治療に必要な放射線画像検査、放射線治療全般を行う業務です。

具体的には…

医師の指示により診断に必要な画像検査(単純X線撮影、CT、MRI、ポータブルX線撮影、X線透視撮影、血管造影検査、核医学検査など)を行い、放射線を使用した治療に関してもその照射業務を行い、医師の診断・治療に寄与する仕事です。

業務中は患者の放射線被ばくに留意した最小限の被ばく、かつ最大限の診療画像が得られるように放射線量をコントロールするべく、撮影手技を会得・向上しながら、必要に応じて検査を追加や変更を行います。

更には担当医師、放射線科医師に対しても読影業務においてその補助を行う場合もあります。

また、自身の被ばくに関しても被ばく線量制限があるため、適切な検査を行えるよう、放射線防護などの放射線管理の知識、放射線管理区域の理解など放射線関係法規についての知識も必要になります。

多くの施設は夜勤などがある業務で、夜勤中はたいてい泊りがけで一人で夜間救急の画像検査を行うので、基本的に一人でも検査全般を行えるスキルが必要となりますね。

2.年収

収入に関しては目立って高給というわけではないです。

総合病院勤めの私の例ですと…

1年目は年収380万円程度(昇給は年7000円程度)

10年目辺りになると年収500万円程度。

役職は施設によりますが、だいたいは副主任、主任、係長、副技師長、技師長などの役職があります。

手当も施設によりけりで、個人クリニックなどの小規模だと放射線にかんする危険手当程度で他はほとんどつきませんが、総合病院になると通勤手当はじめ住宅手当、扶養手当、寒冷地手当、危険手当など比較的しっかりつきます。

3.患者の人生の岐路に関わっている責任を感じる

ヨシミさん

最近某テレビドラマで脚光を浴び始めた診療放射線技師ですが、やりがいといえば、病院の画像診療、治療に関してかなり多くの割合をこの業界が担っていると思います。

つまり医師や看護師など表には出ないですが、病院の縁の下の力持ち的な役割が結構楽しいときがあります。

この業界は疾患を抱えた患者がやってきて、時には命に係わるような重大な疾患を見つける検査を行う時もあります。

夜勤をやっているときなど、今、自分がこの検査を行わなかったらこの患者は原因がわからず亡くなっていたかもしれない…という事例に遭遇するときもあります。

更に画像検査を行うことによって外からはわからなかった疾患や異常を見つけることで、治療方針が決まり、その患者のその後の人生がかわっていくのは「患者の人生の岐路に関わっている」という責任を感じますね。

仕事を全うできたときは「この仕事をやっていて良かった!」という達成感とそれを誇りに思うときがあります。

4.状況によっては心を鬼にして検査を行うこともある

「診療放射線技師」は特殊な仕事ですよね。

仕事をしていて印象深かった出来事はありますか?

ヨシミさん

患者の病気を見つけるため、患者の笑顔のために、場合によっては心を鬼にして検査を行ったことが印象に残っています。

小さな子どもの撮影は、ちょっとつらい思い出があります。

やはり子供ですので、検査室に入った瞬間怖がって泣いてしまう子を、うまくなだめられることもありますが、難しいときは、何をしても暴れて逃げようとするので、そういう時は心を鬼にして、身体を押さえつけて撮影しなくてはなりません。

動くと撮り直しになってしまい、被ばくの点からも余計に負担がかかってしまうので、そんな時は自前のぬいぐるみをパペットぽくやると一瞬泣き止むので、その瞬間に撮影を行うとうまくいくのですが…。

無事撮影が終わっても感謝されず、お子さんの親に対しても押さえつけて、だまして撮影する罪悪感を感じるときがあります。

5.実は体力勝負な仕事

診療放射線技師は、実は体力勝負

例えば、ポータブル撮影の時、自分も放射線を浴びないよう防護しなくてはならないので、3kgくらいの鉛のエプロンを着けています。

その状態で、重い機械を押して、患者さんの身体を片手で持ち上げなから、1枚2kg近いフィルムを片手で入れ替える。

意外と力が必要だから、スポーツクラブで筋トレをしている先輩もいますよ。

6.安定して働ける

診療放射線技師の求人はどのような状況でしょうか?

仕事は安定していますか?

ヨシミさん

診療放射線技師の求人はたくさんあります。

ただし、年齢に応じた職務経験を積んでいないと”厳しい”状況になることも。

できれば、20代のうちに幅広い業務に対応できるように経験を積むことが、30代・40代で大きな財産として残ります。

20代は仕事の幅を広げるための転職も選択肢となると思います。

また、勤務地にこだわりすぎると仕事が見つかりにくいですね。

地域にもよると思いますが、私の場合、ある程度、広いエリアで仕事を探した方が、希望する仕事に就きやすかったです。特に、地方などでは高給な条件を探すとほとんど求人が見つからないと思います。

あと、診療放射線技師は、医師や歯科医師の指示のもとで放射線を使った検査や治療を行うことから、独立開業は難しい職種です。

ですが、病院などの医療機関で安定して働けることは、メリットともとれるでしょう。

7.これから業界に入ってくる人へのアドバイス

診療放射線技師は、病院の中で縁の下の力持ち的な存在

認知度は低いけれど、レントゲンやCTなどを撮影しないと、病気やケガの診断ができないし、診療放射線技師の腕次第で病気や骨折がみつけられたり、治療方針が決まるなくてはならない本当に重要な仕事です。

医師でなくても画像検査を通して患者さんを救うことができるから、時には患者の命を預かっているという大きなやりがいがあります。

この仕事に向いてる人の条件は特にないと思いますが、「人の役に立つ仕事をしたい」と考えている人に合っているのではないでしょうか。

放射線というと難しいイメージがあるかもしれないけれど、大学や専門学校などでしっかり勉強すれば、将来にわたって役立つ国家資格が取得できます

男女問わず、医療に携わって、人のためになる仕事をしたいと考えている人は、診療放射線技師を目指してみてください!

私は医療機関で働くときは色々悩みましたが、今はこの仕事に就いて本当に良かったと思っています。