「アウトソーシング業界での人事の経験は、多くの興味深い瞬間と学びをもたらしてくれます。」と語るエミさん(30)。
人材採用や社員の育成に携わる中で、様々な挑戦に直面しながらも、成功と喜びを共有する機会を得ているようです。
この記事では、アウトソーシング業界の人事としての体験談を通じて、その特異な業界の魅力や困難さ、そしてやりがいをお伝えします。
1.新卒や中途採用の採用業務や教育研修を担当
私は人事総務部で働いており、新卒や中途採用の採用業務や教育研修を担当しています。
毎年4月に向けて、約50人の新卒社員を採用するため、事前に学校で説明会を開催したり、採用パンフレットを作成しています。また、中途採用の業務では、求人サイトへの掲載依頼や記事のチェック、社員へのインタビューなどを行っています。
入社した社員たちには、業務内容を理解するための研修やOJTプログラムを提供しています。入社後に悩みを抱える社員がいれば、私は相談窓口として面談を行うことも多いです。
新卒採用では学生たちとの交流がとても印象的で、説明会や面接での彼らの熱意や将来への期待を感じることができました。
また、中途採用では、求人掲載後に多くの応募があり、その中から適切な人材を選び出す難しさや面接でのコミュニケーションの重要性を実感しました。
さらに、新入社員たちが入社後にスムーズに業務に取り組めるようにサポートすることも私の大切な役割です。
彼らの成長を見守りながら、必要な情報やサポートを提供し、組織への適応を支援しています。
2.気になる給料は?
1年目:年収400万円(昇給は3万円)。
10年目になると、600万円ほどの年収となります。
役職手当はありませんが、ボーナスが年に2回きちんと支給されます。固定残業代込みのため、「今月結構残業したのに少ないな」と思うこともあります。
3.縁の下の力持ち
私たちが所属するチームは、業界でNo.1のクライアント数と実績を誇り、顧客からの信頼を築いています。
特に、採用活動を担当していることで、顧客が多くの有名企業であるため、学生たちの注目を集めやすいという点はありがたく感じています。これは、私たち従業員の努力の結果であり、サービスを提供する現場の従業員たちにとって誇りなのです。
また、この業界で働くことのやりがいは、「クライアントの当たり前を支える縁の下の力持ち」であることだと思っています。
私たちは企業の事務業務をアウトソーシングすることで、表立っては活動しませんが、顧客企業の事業がスムーズに進められるようサポートしています。顧客企業が本来の業務に集中し、新たな価値を提供できることができるのは、私たちが存在するからです。
そのことを考えると、自分たちの存在がなければクライアントの企業活動が滞ってしまうという責任感からやりがいを感じます。
また、アウトソーシング事業はまだまだ新しい分野であり、一般的には知られていないことも多いです。そのため、「そんなお仕事があるの?知らなかった」と驚かれることも多くあります。それは縁の下の力持ちとしての喜びを実感する瞬間です。
私たちのチームは、顧客の成功を支える重要な役割を果たしていると自負しています。クライアントからの信頼を得ながら、日々の業務に取り組むことで、やりがいや喜びを感じています。
4.仕事に誇りを持った社員が多いことに幸せを感じる
中途社員の採用業務を行っているときに、当社に就職を決めるか、他にも内定が出ている他社に就職するか迷われている方がいました。
その方は、システムエンジニア出身で資格もあり、当業界への適応も早いだろうと感じられる魅力的な方でしたが、競合他社から内定をもらっているとのことでした。
その内定者の方がどうにか当社へ入社してくださるよう、採用担当である私は、境遇の近い先輩社員へお願いをして何度も面談を設定しました。その結果、内定者の方の不安や悩みを解消することができ、無事に入社いただくことが出来ました。
このことは、先輩社員の力添えがなければ叶えることができなかったため、忙しい業務の中協力してくださった先輩社員には感謝してもしきれません。
採用活動においては、このように、内定者の不安を払拭するために現場の社員の力を借りることが何度かあるのですが、社員のだれも嫌な顔一つせずに時間を割いてくれます。
それはきっと、現場の社員がこの業界や会社のことが好きで、その魅力を内定者の方に伝え仲間になって欲しいという強い想いがあるからだと感じます。
入社後は、メンターと言って入社者に一人、先輩社員が付くのですが、そのメンターの役割に立候補される方も多く、自分の仕事に誇りを持った社員が多いことを幸せに感じています。
5.残業が多く疲労感の貯まる仕事
同じ業種に勤めたい人に対して、業界のデメリットについて教えてください。
アウトソーシング業界はシステムと人頼りのため、残業が多い事は否めないかと思います。
新しいクライアントを受注したら、クライアントの仕様に合わせたシステムを開発したり、そのために何度も打ち合わせを重ねたり、バグが起きれば担当者総動員で修正にあたります。
1日とて納期のズレは許されないので、スケジュール管理の徹底が必要で、業務繁忙になるとどうしても残業が多くなると感じています。
もちろん、人を増やせば業務は分散されることもあるのかもしれませんが、現状では仕事のできる人に仕事が集中してしまっていて、疲労感は否めません。
また、事務関連業務のアウトソーシングという枠組みの中での仕事になるため、いろいろな仕事を経験したいという方には合わないかも知れないと思います。
新規のプロジェクトが立ち上がったとしてもあくまで事務関連業務の中でのことなので。
もっと大きい会社になれば、人事異動やプロジェクトで多岐にわたる仕事を経験することもあるのかもしれませんが、まだまだ小さい業界なのでそこは難しいかなと感じています。
6.自己管理について高い意識が必要
同じ業界に入社を希望している後輩たちに、自身の経験からアドバイスできることがあれば教えてください。
アウトソーシング業界は「縁の下の力持ち」。
「縁の下の力持ち」にやりがいを感じることが出来る人におすすめです。
メーカーのように、自分が作った商品が店頭に並ぶことはありませんし、目に見えるサービスを売るということもありません。
でも、クライアントから「おかげで本業に力を入れることが出来た」「事務処理ミスがなくなって、煩わしいリカバリーから解放された」などの嬉しい声をいただけることもあるので、それをモチベーションに頑張って欲しいと思います。
その反面、納期やスケジュール管理の徹底は厳しいため、きちんと自分の仕事を管理することへの高い意識が必要だと思います。
基本的に一人で仕事をすることはなく、チーム単位で働きますが、自己管理の甘さがチームメンバーへの迷惑につながってしまうので、その部分の引き締めは大事だと思っています。
残業が多く、しんどいシーンもありますが「終わらない仕事はない!」と割り切ることで前向きに働いていけるのだと感じます。
エミさんはアウトソーシング業界(人事)を担当しているようですが、どのような業務をされているのですか?